教育経営の研究と実践の促進・普及と多様な関係者との対話・議論を興す

会長からのご挨拶

日本教育経営学会のウェブサイトにアクセスしてくださり,誠にありがとうございます。

教育経営学会は,「教育経営の研究と実践を促進し,その普及を図ること」(本学会会則)を目的として,60年余の歴史を有する活動を蓄積して参りました。その成果の一端を,2018年6月に,濱田博文前会長をはじめとする会員のご尽力により『講座 現代の教育経営』(全6巻)として,刊行したところであります。

近年,学校教育を巡って,学校の働き方改革,チーム学校ならびにカリキュラムマネジメントの構築,学び続ける教員像の確立など,本学会の活動と密接に関連を有する課題が次々に提起されております。これらの課題はいずれもが,これからの社会における学校の在り方,教員の在り方そのものを問うているといえます。本学会が展開する教育経営に関する学術的な探究と,現実の学校教育の改善や変革のための実践的な観点からの活動は,さらに重要性を増してくると考えております。

あわせて,教員養成系学部・大学の大学院においては,教職大学院の重点化が図られ,そのなかで学校管理職の養成教育が重視されつつあります。これからの学校教育において学校管理職の果たすべき役割は一層大きくなるものと予想されますが,学校の管理職に必要とされる資質能力を明確にしつつ,それをどのように養成するかは,本学会に深く関連した課題といえます。これに関しても,本学会ではすでに多方面にわたる知見を整理体系化して,「管理職の専門職基準」(2012年修正版)を公表し,校長を高度の専門性を備えた専門職として確立するための具体的な提言を行ってきたところです。

本学会の学術的ならびに実践的な活動は,これからの学校教育において一層重要性を増すと思われますが,さらに本学会の活動を充実させるために,以下の諸点に留意したいと考えております。

第1には,教育経営に関して学会が産出する研究知をどう捉えるかについて議論を深めたいと考えております。教育経営学会では,これまで多様なキャリア,バックグラウンドをもつ会員が活動をしてきました。そこには,さまざまな対象へのアプローチや研究方法論が用いられてきました。教育政策過程においても,エビデンスが重視され,EBPMという考え方が浸透しつつあります。私たちが産出する研究知は,数量的データに限定されるものではありません。教育経営の実践に資するという観点からも,私たちが提供しうる意味ある教育経営の知とはどのようなものとして成立しうるのか,この点について,研究方法論を含めて議論を深めたいと考えております。

第2には,多様な関係者との対話ないし議論を重視したいと考えております。これに関して一つには,学会において研究者と実践者の双方の情報発信と交流を強めたいと思っております。本学会はその活動において実践的な側面を強く有しておりますし,学会員にも実践者(大学院生や実務家教員などを含む)が数多くおられます。学会という性格上,研究者が主導的な役割を担うことは避けられないことかもしれませんが,これまで以上に実践者の方からの情報発信ならびに研究者との対話に留意したいと考えております。二つには,学会として学校関係者だけでなく,児童生徒の保護者や地域住民,あるいは学校教育に関係する潜在的なステークホルダーとの交流ないし議論をすすめたいと考えております。上に述べました今後における学校の在り方,教員の在り方を具体として探究するとなると,教職員や教育行政関係者だけでなく,保護者や地域住民との交流や連携が求められることは明らかです。今後,このことにも留意して学会活動を推進したいと考えております。

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最後に,今後の本学会の活動に対して,学会員をはじめとして,多くの方々のご支援とご協力をお願いいたしまして,会長からのメッセージとさせていただきます。

2019年1月
日本教育経営学会会長 佐古 秀一

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