第1期(2006~2008年度)実践推進委員会
(2009年)
『校長の専門職基準〔2009年版〕-求められる校長像とその力量』の公表について
本学会は学校の組織経営における校長の専門性を高めるという実践的課題の解決に積極的に取り組んできました。本基準は,その一環として次のような問題意識のもとに作成したものです。
- 校長は,従来以上に,学校経営の最高責任者としての確かな専門的力量を求められる。その内容を明確化し,資格・養成・研修等の制度を確立する必要がある。
- 学校経営を主たる研究対象とする専門学会として,求められる校長像とそこで必要とされる専門的力量の構成要素を示す必要がある。
これまでの取り組みは,2004年6月に「学校管理職教育プログラム開発特別委員会」を設置したことを皮切りにして,以下のような経緯を辿ってきました。
2004年6月
本学会に,「学校管理職教育プログラム開発特別委員会」(小島弘道委員長)を設置。
(同年4月に岡山大学大学院に「教育組織マネジメント専攻」が新設されるなど,教育系大学院で学校管理職養成への関心が広まりつつあった)
2005年3月
同特別委員会中間報告書『大学院における学校管理職教育プログラムの開発に関する研究』公表。
(国内の大学院での取り組み,米・英・独でのプログラム,他分野での専門職養成等についての検討)
2006年6月
同特別委員会報告書『大学院における学校管理職教育プログラムの開発に関する研究』公表。
(『「スクールリーダー専門職基準」(案)』とその内容についての全会員対象アンケート結果等)
2006年6月
本学会に,常置委員会として「実践推進委員会」(水本徳明委員長)を設置。「スクールリーダー専門職基準」の確立をその目標の一つに議論し次の点などを確認。
大学院での養成プログラムの基準に限らず,資格・選考や行政研修・自己研修等に活用可能なものへ。
行政および専門団体との連携・協力が必要。
2007年8月
第1回実践フォーラム開催。
(学校経営コンサルテーションの実践と課題をテーマに開催)
2008年10月
第2回実践フォーラム開催。
(基準改定案について全連小・池田芳和会長からの意見を交えて討議)
このような過程を経る中で,2006年6月に前掲特別委員会によって作成された『スクールリーダー専門職基準』(案)とそれに対する会員からの様々な意見等を踏まえて下案を作り,2008年10月の実践フォーラムでは当時の全国連合小学校長会会長・池田芳和氏から率直な意見をいただくことができました。そうして,第49回大会中の2009年6月6日付けで公表された『校長の専門職基準〔2009年版〕』求められる校長像とその力量』について,第3回実践フォーラム(2009年6月7日)で再び池田芳和氏(東京福祉大学教授,全国連合小学校長会前会長)と大江近氏(全日本中学校長会・生徒指導部長)および会員の間で意見交流がなされました。
本基準は,学校管理職の資格・養成・研修等に関係するすべての方々に参考にしていただき,率直なご意見等をいただきながら見直しを図っていく必要があると考えています。その意味で〔2009年版〕は「初版」であり,とくに校長会等の専門団体や教育委員会の関係者との間で様々な意見交流を進め,必要に応じて改定していく予定です。
- 校長の専門職基準〔2009年版〕
(PDFファイル・全19頁 296KB) - 校長の専門職基準リーフレット
(PDFファイル・194KB)